二分脊椎症とは、胎児が母親のお腹の中で成長する際の背骨の形成不全によって起こる疾患です。
通常背骨の中には脊髄が通っており、背骨によって守られているのですが、その背骨が作られる際、何らかの原因によりうまく閉じられることがなかったため、脊髄がむき出しになってしまうという状態です。
二分脊椎症には大きく分けて潜在性(脂肪種)と顕在性(開放性)があります。
潜在性は脂肪によって脊髄が守られているので、一見こぶのようなものが背中についた状態で産まれてきます。
緊急に手術は必要ないけれど、成長によって弊害が出る可能性もあるため、手術によって閉鎖することを勧められる場合があります。
それに対して顕在性は脊髄がむき出しになったまま産まれてくるので、産まれてすぐに手術をしないと感染を起こす可能性があります。
また、背骨のどの位置に形成不全が起こったかによって麻痺のレベルも違います。
上にいくほど麻痺の範囲も広くなります。
成長するにつれてどのような障害が出てくるかというと、
下肢の運動麻痺
排泄障害
術後の脊髄空洞症
側湾・後湾など背骨が曲がる
床ずれによる褥瘡
水頭症による知能障害
キアリ奇形による呼吸障害などです。
産まれてすぐの形成不全を治す手術は脳神経外科。
下肢の運動麻痺はリハビリ科と整形外科
排泄障害は泌尿器科と受診する科もそれぞれ分かれていて、一人の医師にすべて見てもらうことはできません。
成長によって背骨に影響があることから、生涯にわたって完治することはない病気といわれています。
ただ、麻痺のレベルによって障害の程度が大きく違いますので、足にまったく麻痺がない方もいます。
装具をつけて歩ける人、車いすを使う人などさまざまです。
排泄障害は必ず起いわれています。
排泄障害には、漏れるタイプと出ないタイプと2種類に分かれます。
出ないタイプは導尿や浣腸、洗腸などで出すのですが、
漏れるタイプでも残尿があると感染を起こす可能性があるので、導尿は必須のようです。
たとえ残尿がなくても、社会生活で困らないように薬で漏れなくしてから導尿をするようです。
これは担当した泌尿器科の医師によって違いはあります。
いずれも医師によって考え方も違いがあるので、なるべく経験のある医師にセカンドオピニオンすることも必要です。
とりあえず、一般的な知識はここまでです。